グループ展、おわり!
おはようございます。
なんでわざわざブログまで見てくれてるんですか!?ありがとうございます。
今回はコンビニチキンの話ではなく、グループ展について書きます。大真面目です。
ふざけたければ帰れ!うそ!ごめん!あと前回のコンビニチキンの件も大真面目!
さて、グループ展「try angle」が終了しました。来てくださった方も気にかけてくださった方もありがとうございます。
try angleとは、3人それぞれの視点(=アングル)でトライした卒業制作と、3人それぞれの視点を交差させトライした共同制作を展示するという意味で名付けられました。
自分でも覚えておきたいので、3人で散々話し合ったコンセプトや、個人で散々作り直した制作物について綴っていきます。
まず共同制作は「日常の中にあるものの見方を変えて、3人の視点で再解釈する/ifの視点で見てみる」ことをテーマに、アートではなくデザインの面白さを共有しようというものです。
こういう展示をやっといて野暮に講釈たれるなや!とお思いかもしれませんが、講釈たれますよ私は!
なぜなら先述のとおり、今回の共同制作物がアートではなくあくまでデザイン、厳密にはまだデザインになっていないデザインのかけらたちだからです。
アートは主に感覚的な自己表現ですが、デザインには全て理由があり、説明できます。私たちはそこに面白さを感じ、その表現を試みました。
また、意味がないようなこと(今回の展示であれば、ハート型にくりぬかれたトイレットペーパーなど)も、キャッチコピーというかたちで「言葉」というファクターを付加することでアートからデザインになるのではないかと考え、その変容の過程を可視化したイメージです。
(※アートがデザインの前段階かのような書き方をしてしまいましたが、一概にそういうわけではなく、それこそ「デザイン的な視点で見てみた」という感じでしょうか。デザインとして表現するというか。確かに私はアートへの感受性は低いのですが、アーティストの方々を否定するわけではなくむしろ尊敬しておりますので、そこはお間違いなく…。)
(※)←部分が長くなりましたが話を戻します。 「アートではなくデザインの面白さを共有する」ためにインタラクティブ要素を取り入れ、見るだけではなく物理的に体験できるものも多めに制作しました。例えば、スカートをめくる、炊飯器を開ける、とか。受け手側にも動作を促すことで、参加している・共有しているという意味を持たせたかったのです。視覚的なところでは、違和感や「なんじゃそりゃ」感など、テンポ良く見て回れるよう、パッと見てなんとなくでも感じられる面白さを意識しました。
反省点としては大きくわけて2つ。ひとつは、声をかけなければ動作に至らないこともあったということ。それを誘導できなかったのはコピーなり仕掛けなり全体の構成なりに何らかの不備があったように思います。
もうひとつは、コピーの存在を素通りされるものも多かったということ。位置やサイズ感自体にも問題があったのかもしれません。しかしそれ以上に、見ても理解できない、もしくは「へえー」だけで終わってしまいそれ以上広がりのない言葉選びをしてしまったような気もしています。先に述べた付加価値というのをもう少ししっかりとつけてあげる必要があったことと、あとは広義に捉えられるよう決めたコピーも多かったので、それが裏目に出た結果ということもあります。ただ、あの場でいちいち説明されるのは私が来場者なら嫌なのでブログに書いています(と言いつつちょっと説明しちゃったけど)。まあ正直全てのコピーを今でも結構気に入っているのですが…。
なんか反省会を開いてしまいました。何を読ませてんねや。
ではその展示の仕方についてのお話ですが、あくまで主役は3人個人の卒制なのでそれを中心に配置し、9つの共同制作物は壁面に配置するよう構成しました。その際、9つがバラバラではなく共同制作であることを示すために全て白で統一しました。また、インパクトのあるものに対して素朴なものなど、それぞれの作品のウエイトの違いや物理的なサイズの違いがあり、それらの存在感を統一する意味でも全てを白くしました。元々白いモノでも、染められるものは全てスプレーで染めて同じ白にし、炊飯器などは普段の姿よりもマットであることの違和感なんかも演出できたのではと思っています。
ちなみにこれらの制作物は、毎日電話越しにミーティングをしながら決めていった、本当に共同制作です…!
大きめの反応を結構もらえたもの(※あくまで私の体感)をいくつか載せます。
<毎朝、僕と一緒にご飯を食べてください。>
嬉しい派と引く派に分かれました。笑
炊飯器を開ける動作と指輪パカッの動作の連想、それを「毎朝僕に味噌汁を作ってください」に当てはめたら、、というだけでシチュエーションまで深くは考えていなかったのですが嬉しいです。広告的な要素が強いかなと思います。
<キティちゃんの身長はりんご5個ぶん>
じゃああなたは何個ぶん?というもの。そもそも自分の身長をりんごに置き換えちゃうキティちゃんってなかなかぶっ飛んでるじゃないですか。品種とか個体差とかあるし。その視点を利用したという感じでしょうか。これを機に「私りんご24個分♪」みたいに言ってくれたら嬉しいです。笑
<スカートの中には自由な世界>
YES!ブリーフ!
スカートの中に何があったら面白いかな?というところから考えましたが、最終的にはシンプルなところに落ち着きました。これを履いているのは男性でも女性でもどちらでもない人でもいい、だからこそ広義での言葉選びを意識しました。何履いたっていいよと。ひいては好きに色々やったらいいよとか、受け取り手の解釈で勝手にどんどん広げてほしいなというぐらいに思っています。
<感情に溺れきる前に> -定期的に干しましょう-
劣等感、嫉妬、不安、空虚、憂鬱、後悔、という単語が印字されている6つを干しています。涙に濡れるように負の感情に濡れ、心がキャパオーバーするとやがて溺れてしまう。そうなる前にちゃんと干して水分(その感情)をとばす。このイメージは抽象的に思うかもしれませんが結構具体的に可視化しています。
ごく身近な材料で、重くならずいい具合に他の展示物とも同じテンションになったのではないかと思います。
次に、個人の制作について。これが卒業制作物です。
まずはきっかけについて。興味のない方は飛ばしてください。
私は1ヶ月(学校のスケジュール上の制作期間)を自分が楽しめないことに打ち込むことはできねえ!と判断し、とにかく自分の好きなことをしようということから決めました。
そう思った時にまず「言葉」だなということは確定でした。もっと言えば文章。去年の進級制作でも言葉・文字を扱い、文章も一要素として活躍しました。
私は昔から何かと無駄に文章を書いていて、ぶっちゃけ読むのはちょっと苦手なくせに書いてばっかりでした。PCを手に入れてからは謎に文章を書き留めるようになりました。
かつてよなよな…で長文のメールがよく読まれていた頃、私も何度か読んでいただき、そこからまた加速度的に文章を書くのがどんどん楽しくなりました。
だから文章をなにかしら組み込めたら、という思いでした。
あとはエディトリアルデザインもしっかりやってみたかったということ。
で、妄想掛け合わせたらこれ最高じゃんフェイクニュースの誌面デザインしたら完璧じゃんてな感じで、プロセスがデザイン的思考ではないことを自覚しつつ企画を後付けしていきました。
次にその後付け企画の趣旨を。こちらもまた興味のない方は飛ばしてください。笑
私がつくったのは妄想フリーペーパー、その名の通り全編フェイクニュースの記事でできた新聞です。このフリーペーパーを何のためにつくったのかというと、ある店の広告のためです。
ある店というのは「本物の価値を売る」ことを掲げたコンセプトショップのことで(これが実在しないことがややこしいのですが)、このショップの立ち上げがこの企画の本来の主旨です。
つまり、「本物」を売る店を立ち上げ→オープン初日に広告としてのフリーペーパーを配布→そのフリーペーパーの内容は全部嘘、ということです。フリーペーパーの内容を全て嘘で固めて「偽物」に対しての問題提起をし、「本物」の価値を考えさせることでショップのコンセプトを逆説的に強調しようというねらいです。
ここで言う「本物の価値」とは「外見を整えただけではないもの・自分にとって価値のあるもの」。これをふまえて、店ではアップサイクル商品を売ることを考えました。アップサイクルというのはリサイクルに似ているのですが、素材をそのまま生かして新たな価値を付加して生まれ変わらせたものです。
アップサイクル前はもう要らないものだったのに、生まれ変わらせたら誰かにとって価値のあるものになる。これがショップのコンセプト(「本物」の定義)とリンクするというわけです。
ちなみに店ではフリーペーパーとは逆に、中身が本物なので外見を偽物にするために、ショッピングバッグを赤一色にします。真っ赤な嘘という意味の赤です。
で、内容をざっくり。
p2-3 田舎にできた音楽館という施設への取材。これはもう願望です。あとは私の音楽に対する向き合い方が思ったより如実に出ていることにあとで気づいてめちゃくちゃ恥ずかしくなりました。
p4 とある専門学校の卒展の広告。まあとりあえず見てもらえれば。笑。
p5 アイドル兼社長インタビュー。こちらもアイドルに対する私の思いが結構出ちゃってますね。芯の強い人間を思い浮かべて書きました。
p6 ①夢のチャリ発電。しかも発電すれば小遣い稼ぎにもなるという。システム考えながらニヤニヤしました。②どこでもトイレとかあったらいいですねー。私も2,3年前やばいときありましたわ。尿意に気づけなくて何回かチビりました。30代が不安です。あともちろん貧困国に綺麗な水を!
p7 ①犬、大統領になる。フランスらへんの人名を調べるのが楽しかった思い出が。②宇宙人と老夫婦の物語。これこそ名前を考えるのが楽しかったです。好評の記事。笑
p8 書評や映画評・映画ランキングなど。p7より更に架空の名前を考え放題の夢のような妄想期間でした。マジ楽しかったです。芸人の名前みんな気に入ってます。それと最後にネタばらし記事。
という、これらが全て架空の記事でして、最後らへんは宇宙人が出てきたりとだんだん現実味がなくっていくような構成です。
\ 興味なかったみんなー!戻っておいでー! /
おかえり!では最後にタイトル及びロゴについて話すよ!
NISE TIMESというタイトルは、一見「ナイス タイムズ」にも見えますが、3文字目をCが二重になった形のようにもSの形にも見えるようにしました(先ほどの写真参照)。日本語としてローマ字読みをすると「ニセ タイムズ」。実は最初から偽物であるというヒントを与えてるんですよってことです。(上記読んでくださった方、このタイトルにも使った「NISE」の部分は、そのまま店の名前としてロゴで使われます)。
全体的に、難しいことをやってるつもりはないものの一つ一つ省略できない要素がちょこまかとあり、構造自体が複雑になってしまいました…楽しくてつい…。そのため、とにかく説明が長くなるしわかってもらえるか微妙なところなので、展示の際このへんの構想は割愛しました。
だからとにかく妄想フリーペーパーつくったよってことにして気軽に読んでもらおうという方向にしたのです。おかげさまで最後のネタばらし部分でモヤッとさせてしまうこともあったので、中途半端なことをしてしまった気もします。
そしてこの場を借りて謝罪します…私の制作物の誌面に誤字がありました。
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×四半世紀経った
○半世紀経った
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×トニー少年とのが
○トニー少年との生活が
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あと経営についての記事で会計士の方に数カ所校正して頂いたのに、そのとき訂正し忘れていたようでもう思い出せない…バカ…
既に読んでいただいた方、申し訳ありません。
自分の話が長くなりました。そういうとこですわ本当に。
ここからは、グループ展開催の経緯と私個人の感想です。結局お前の話かい。
私たちの通う学校では、進級制作と卒業制作に対して審査員から高評価を受けた上位数名が学外選抜に選ばれるという仕組みになっており、去年は3人全員がこれに選ばれました。学外選抜に選ばれると企業の方々の前でプレゼンをしたり、多くのフィードバックをもらうことができます。当初は「あの人は選ばれていないのに私が選ばれていていいのだろうか」とも思いましたが、この体験を通して私は、選抜に入ることについて優越感というよりも有意義さを感じ、来年も選ばれなくては、と常に思っていたのです。しかし今年は3人全員が選抜に入れませんでした。自分たちが選ばれなかった理由をずっと考えていました。私の作品はレイヤーが多すぎてわかりづらいし好き勝手やってるだけなので仕方ないか、とも思いましたが、学校側の人選の基準に納得のいかない部分がありずっとイライラしていました。だから、私なりに結構頑張ってつくったこと、あまりにも誰にも見られずに終わっていくことが単純に悔しくなりました。選抜に入らなかったことで作品が日に日に色あせて見えてきて、自分でそのことが情けなくもなりました。
この作品をちゃんと誰かに見て欲しかった。私がグループ展の話を2人に持ちかけた理由はこれです。承認欲求と言ってしまってもいいと思います。
これらは2人の意見とかぶる部分もおそらくありそうですが、3人それぞれ動機は違うので、これは私個人の思いであるということは言っておきます。
共同制作で展示するものは当初全く別のものを企画しており、わりと個人作業の多いものを考えていました。
当初の案といってもそれが決まったのが一週間前で、毎日のように長時間話し合い何度も案を転々としながらやっと決定したのですが、4日前になってまた議論し、予定をガラッと変更してなんやかんやこういう方向性になりました。そこからは毎朝の電話会議が1日の始まりでした。
私は午後からは仕事があったので、二人は私がいない間も電話会議をしてくれたり、面倒な買い出しに行って実作業を日中からしてくれたりと忙しかったはずです。夜には私も合流して、よなよな公園でいろんな日用品を白く染めまくりました。しかし結構乾くのが遅かったので、二人が終電で帰って私が乾き待ちをしていた日には、寒さをしのぐ為ひとりベンチの周りをスキップしていたこともあります。なんか楽しくてナチュラルにやってしまいましたが、通報されなくてよかったです。
話し合いの段階でも私の苦言で二人を困らせたと思いますが、実作業に入るとネガティブ発言や行動力の無さで私が足かせになってしまったことを反省しています。昔から、文化祭の小道具の準備などでも私はなにをすればいいのかわからずポカーン、調理実習でも「はて、自分の役割はなにかしら」とオロオロする中高時代。それは大人になると「仕事のできない奴」。あの頃から気づいてはいたけれど、父と母、ひいては友達になんでもやってもらっていた私はやっぱり仕事ができない大人になってしまいました。
となぜか身の上話みたいになってしまいましたが、とにかくアナログ作業の際には「なにをすればいいのやら」状態。二人がやってくれていることのアシスタントとしてなんとか力になれたかな…?程度です。
ある晩、炊飯器にスプレーを吹き付けているとき私が「元々白いものはもういいんじゃないか、時間的に厳しい」と言ったことを自分でよく覚えています。二人は否定することもなく、でも作業は続けました。今思うと、これが個展なら私は白く塗ることを諦めていたし、それによってクオリティは下がるところでした。私のこういったネガティブ発言できっと何度もイラつかせたことと思いますが、それをはねのけてくれて感謝しかありません。
引くほど長くなりました。
引いてます。マジなんなのこいつ。ばり説明しますやん?語りますやん?痛っ!
まあでも何故こんなに語っちゃうのかというと、今回の展示は洗礼されたキレイな空間に見せたいということ以上に、自分たちのダセェ部分も出しちゃおうよ、という裏テーマ?もあったからです。話し合ううちにそこの部分は希釈されてよかったことはよかったのですが、やはり根底にはそれがあります。
というのも、卒業制作の選抜云々の話、結果の受け取り方はどうあれ結局それが全員共通の初動のエンジンでした。そこで「私たち小さい世界でもがいてるなー」というダサさをありのままに出すしかないんだろうなということで一致しました。わざわざ足を運んでもらってお見せするものとしてクオリティを高く目指すことは前提で、テーマ的には今しかできないかもしれない・今の自分たちの思いをかたちにしたということです。なんか曖昧な言い方かもしれませんが、反省点はあれどそこはやりきったと思っています。
これ、デザイナーの方が読んだらどう思うんですかね。人の目とか超気にしちゃう!「クソがぬるいこと言ってんじゃねえよ」とか思われますかね。というか自分が立派なデザイナーにいつかなれたとして少しは誇れるんですかね。私はブログというものを通して何を問いかけてるんですかんね。
とにかく無事にグループ展を終えることができてよかったです。
今回の展示は3人いないと成立しないものでした。と、なんともベタな言葉になりましたが、本当にそう痛感しております。仲良し3人組イェ~イとかだったらもっと中途半端なものになっていたし、2人には終始助けられました。
私個人としては、「最高の賛辞として変態という言葉を贈る」とか「良い顔してたね!ポップで前向きになってた」とか、他にも勿体無いほどのたくさんの嬉しい言葉をかけていただきました。私やっぱり褒められないとやる気でない。褒められるだけでグリグリ。(突然のトモフ)
私はいま一介のアシスタントデザイナーとして働き始めて、これからはガッシガシに商業デザインをやっていきます。こういった発信の機会がこの先あるかどうかもわかりません。だからこそやってみて良かったし、商業デザインももっと好きになった気がします。この先ゲロゲロにしんどくなる予感しかありませんが、それでもこれからが楽しみです。ようやくスタートラインに立てました。あら…?やっぱりポップで前向きになっちゃったのかしら。まあ根暗は根暗ですが、できることならなるべくポジティブにいきますよ。(突然のベイビー)
やりたいことはやりました。あとは頑張る。以上!ありがとうございました。諸々。
魔性のチキン
わざわざこのブログを開いてしまった皆さまこんにちは。そんなよっぽど暇か物好きな皆さんなら大好きですよね。そう、突如現れた、セブンイレブンの「クリスピーチキン(むね)」。
それはコスパの崩壊した、とんでもなくうまい、ただただうまい肉。柔らかでありながらしっかりとした噛みごたえのうまい肉。時間の経った状態のカリッカリでも美味いのに、揚げたてともなれば更にジューシー&さっぱりの絶妙なバランスが存分に発揮され、噛んだ瞬間から幸せになれるという魔性のチキンである。
しかし、最速でコンビニホットスナック界のキングに上り詰めたそいつは、ある日忽然と私達の前から姿を消した。
消えた、というか、ホットスナック棚の同じ場所にあるそいつの様子が違っていたのだ。クリスピーチキン(むね)と入れ替わるようにして「ザクチキ(むね)」という新商品が店頭に並んでいた。(むね)の表記や元のものと酷似した形状から、商品名が変わっただけのようにも見える。しかし価格が違う。たしかクリスピーチキン(むね)は税込98円だったはず。ザクチキ(むね)は税込118円ではないか。一体どうなっているのか。
一旦落ち着こう、ちょっと名前が変わっただけではないか。きっとおいしさはそのままのはずだ。ていうかセブンイレブン超信頼してるし絶対うまい。いける。よし。そして実食。
違う。
違うのだ。
案の定ザクチキ(むね)はクリスピーチキン(むね)とは違うのだ。どういうことだ。俺たちのクリスピーチキン(むね)はどこへやったのだ。出せ。居場所は知ってるんだろう?早く出せ!しらばっくれるな!!
と取り乱してしまうほど、クリスピーチキン(むね)に対する愛情が自分でも想像以上のものだと認識してしまった今、やはり人間は失ってから気づく愚かな生き物であることを思い知らされる…
しかしここで言っておきたいのは、先ほどもセブンイレブンへの信頼を記したところだが、ザクチキ(むね)はめちゃくちゃ美味いということだ。個人的ナンバーワンコンビニホットスナックであったファミチキや、セブンイレブンで過去に販売していたのり塩チキン(むね)をも凌駕している。
クリスピーチキン(むね)と同じ肉を使っているのかなんなのか、その辺は舌がバカなのでよくわからないが触感がとても似ていて本当に美味い。だが、それだけ美味いザクチキ(むね)でさえも違う違うと取り乱してしまう魔性のチキン、クリスピーチキン(むね)はもう居ないのだ。ザクチキ(むね)は、黒胡椒の効かせ具合や皮の薄さなど、明らかにケンタッキーのフライドチキンを意識している(どうだ!開発部様!違うか!いかがでしょうか!)。それが悪いとは言わないが、クリスピーチキン(むね)を失ってまで手に入れたかった未来はこういうことなのか?と思うと一消費者として悲しくなる。やはり人間は愚かな(以下略)
しかしまあ、いつまでも打ちひしがれていたって仕方がない。ザクチキ(むね)だって研究に研究を重ねて作られた汗と涙の結晶ではないか。実際うまいし。これからはザクチキ(むね)を愛する。いいんだこれで…と隠しきれない悲しみを抱えつつ、今日は自宅の最寄りではなく駅から近いセブンイレブンに足を運んだ。そこでいつものように、垂れそうなヨダレをなんとか口内に押し込めながらホットスナックのコーナーに目線を向けると飛び込んできた文字。それは「クリスピーチキン(むね)」。気づけば私の財布からは100円玉が一つ減り、それと引き換えに右手には小さなビニール袋が揺れていた。
いざ帰宅して袋を開けてみると、さっきは興奮してよく見ていなかったが黒胡椒はかかっていないように見える。ただ、この段階ではまだこいつが本当にクリスピーチキン(むね)であるという確証は持てない。店員のおっちょこちょいで商品名のプレートとレジの入力を変更し忘れているだけかもしれない。
そんなことを考えながら、その肉を期待半分、不安半分の気持ちでかぶりつく。
ク、クリスピアン……それは、紛れもなくクリスピーチキン(むね)だった。そう、嘘じゃない、これは俺たちのクリスピーチキン(むね)なのだ。クリスピアンってなんだ。
涙こそ0.01mlも出なかったが、感動した私は携帯を手にとり、ポチポチと文字を打ち始めた。そして書き上げたのがこのザマである。
とにかく、もしこのクソ文章は読んでいるにも関わらずクリスピーチキン(むね)を食べたことのないというよく分からない方がいたら、見つけ次第是非食べてみてほしい。後悔はさせない。なぜなら98円だから。やっす!もしかしたらクリスピーチキン(むね)とザクチキ(むね)は共存していて今も両方販売されているのかもしれないが、商品の入れ替えも黒木瞳の衣装チェンジもサイクルが早いこのご時世。何があるかわからないのでなるべく早めに食べていただきたい。ちなみちザクチキ(むね)も勿論おすすめなので是非。え?今ってFNS歌謡祭の司会黒木瞳じゃないんですか?
以上、黒木瞳でした。今後とも宜しくお願いします。